STUDENT NOW!

2024/12/17

【帯広畜産大学】「廃棄物資源循環学会北海道支部 令和6年度ポスター発表会」で学生3名が優秀ポスター発表賞を受賞

廃棄物資源循環学会北海道支部 令和6年度ポスター発表会(11月22日(金):北海道大学)において、大学院博士前期課程畜産科学専攻の2年の北川翠さん、同1年の山田萌瑛さん、畜産科学課程農業環境工学ユニット4年宮部吏央さん(指導教員:宮竹史仁教授)の3名が「優秀ポスター発表賞」を受賞しました。

本賞は、約50名の学生発表者の中から優れたポスター発表を行った5名に授与される賞で、北川さん、山田さん、宮部さんが受賞しました。

受賞した3名からのコメントは以下のとおりです。

北川さん「このたびは、このような賞をいただき、大変光栄に存じます。研究にご協力いただいた牧場の皆さま、ご指導くださった先生方、研究室の皆さまに心より感謝申し上げます。今後も精進してまいります。」と述べました。

山田さん「大変光栄に感じております。宮竹先生をはじめ、サポートしてくださった研究室の皆様には、この場を借りて心より感謝申し上げます。学会内でいただいた貴重な助言を参考に、バイオ炭の活用に貢献できるよう、今後も研究に専念してまいります。」

宮部さん「このような賞をいただけたこと、大変光栄に思います。今回の学会では、自分の研究を多くの方に知っていただけたことに加え、他の発表者の研究内容や質問から多くの刺激を受けることができました。この経験を糧にして今後の研究活動に一層邁進していきたいと思います。」

北川さん

山田さん

宮部さん

 

 

 

 

 

 

 

2024年度廃棄物資源循環学会北海道支部研究発表会 演題と概要

北川さん
Compost bedded pack barn における堆肥敷料および攪拌作業の有無が牛床の微生物叢に及ぼす影響」 

海外で注目されている「Compost bedded pack barn」という技術に注目し、日本での導入可能性を検討しています。この飼養技術は、厚く敷いた敷料を使用してウシを飼育すると同時に、敷料内での堆肥化を行います。北川さんは、特に「堆肥」敷料を使用した場合の効果について検討しました。今回のポスター発表では、敷料内の病原性微生物叢などに焦点を当て、微生物培養および微生物叢解析の結果を報告しました。その結果、一般的に使用される「おが粉」敷料と比較して、「堆肥」敷料では多様な微生物叢が形成され、牛床内での堆肥化のより進行していることが確認されました。また、敷料を攪拌することで微生物同士の拮抗作用が強まり、乳房炎の原因菌が抑制される効果も観察されました。これにより、「堆肥」敷料を用いた場合でも、攪拌作業を適切に行うことで、安全かつ効果的にウシを飼育できることが明らかとなりました。

山田さん
「もみ殻くん炭が乳牛ふん堆肥化と施用効果に及ぼす影響」

乳牛ふんにもみ殻炭を混合した「もみ殻くん炭混合堆肥」の堆肥化特性、コマツナとニンジンの栽培効果、および温室効果ガス排出量を評価しました。その結果、もみ殻くん炭の混合は堆肥化時の温度上昇と有機物分解を促進し、良質な堆肥の生産に寄与しました。さらに、ニンジンの栽培試験では、収量の増加と硝酸イオン量の低減が確認され、加えて堆肥の製造から施用までの過程で排出される温室効果ガスの削減も示されました。
この成果は、農業生産効率の向上と持続可能な農業への貢献が期待されます。

宮部さん
「酒炭の混合が乳牛ふんの堆肥化反応特性に及ぼす影響」

日本酒の製造過程で使用された活性炭「酒炭」を乳牛ふんに混合し、その堆肥化反応への影響を検討しました。その結果、酒炭を混合することで、酒炭が持つ吸着特性や多孔質構造が、乳牛ふんの堆肥化を促進する可能性が示されました。また、堆肥化過程で発生する温室効果ガスの排出量が35~44%削減されることが明らかになりました。この研究は、産業廃棄物である酒炭の有効活用を目的としており、環境負荷を低減する新しい堆肥化技術の開発に寄与するものです。
今後、より効果的な酒炭混合堆肥の製造方法やその施用効果を明らかにすることで、持続可能な農畜産業へのさらなる貢献が期待されます。

STUDENT NOW!一覧