【帯広畜産大学】小向映瑠さんが第68回北海道開発技術研究発表会で寒地土木研究所長奨励賞を受賞
第68回北海道開発技術研究発表会(令和7年2月18日(火)~20日(木):札幌市内)において、畜産科学課程農業環境工学ユニット4年(当時)の小向映瑠さん(指導教員:宗岡寿美教授)らが発表した研究と、その際に投稿した論文が「寒地土木研究所長奨励賞」を受賞しました。
この発表会は、北海道開発事業に関連するさまざまな課題についての調査研究の成果を発表し、技術等の向上と普及を図ることを目的として毎年開催されています。発表者は7つのカテゴリーに分かれて行われ、参加者は自由なテーマで研究成果を発表します。
今年は195件の発表があり、発表内容と投稿論文をもとに、研究の創造性、将来性およびプレゼンテーションの評価に基づき審査が行われました。その結果、特に優秀と認められた63件の論文が、6つの賞に選考されました。寒地土木研究所長奨励賞は、寒冷地における土木技術の発展に貢献する優れた研究成果に贈られる賞です。
小向さんらの発表・論文のテーマは「酪農地域・傾斜試験枠における耕起作業と土壌侵食に関する経年評価―地域整備方向検討調査業務における調査研究事例―」です。釧路管内浜中町の草地内に設置した傾斜試験枠を対象として降雨・融雪水の侵食性および土壌流亡性・土壌物理特性を経年評価しました。その結果、小降雨時には耕起作業による傾斜農地(裸地)からの土壌侵食抑制効果が大きいこと、調査地域の土壌(浜中統)の受食性は低いことを確認した上で、今後は排水改良・草地更新時に圃場面からの流去水を水系に直接流入させない農地保全上の技術的工夫が有効であることを提唱しました。なお、共同研究者は北海道開発局の小野学氏および(株)アルファ技研の瀬戸明良氏です。
小向さんは、「このような栄誉ある賞をいただき誠に嬉しく思います。研究の成果が国営事業推進に向けた基礎データとして少しでも役立てたならば光栄に存じます。また、この賞は研究に際し指導いただいた帯広畜産大学宗岡先生をはじめ、釧路開発建設部の皆様、アルファ技研の皆様のおかげであると心より感謝申し上げます。今後も引き続き農業土木分野に尽力したいと思います。」と受賞の喜びを語りました。
なお、小向さんは令和7年4月より内外エンジニアリング北海道(株)に勤務し、農業土木分野の計画・調査・設計業務に従事しています。

受賞した小向映瑠さん