国立大学法人北海道国立大学機構メールマガジン Vol.13(令和7年7月号)
目次
【1】日本で初めて顕微授精で誕生した仔馬の公開見学会を開催
【2】研究活動紹介(北見工業大学:髙橋理音 准教授)
【3】イベント等のご案内
【4】トピックス
【1】日本で初めて顕微授精で誕生した仔馬の公開見学会を開催
令和7年6月18日(水)に、帯広畜産大学にて、日本で初めて顕微授精で誕生した仔馬の公開見学会を開催しました。
この仔馬は、南保泰雄教授、羽田真悟准教授、渡部浩之准教授の共同研究により、生体卵巣から吸引した馬卵子の体外成熟、顕微授精、体外培養胚の移植という一連の高度な生殖補助技術を駆使して誕生した、国内初の成功例です。
今回は報道機関を対象に見学会が行われ、研究成果や日本在来馬保存への可能性について紹介するとともに、仔馬の健やかな姿を間近でご覧いただきました。
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【2】研究活動紹介
このコーナーでは、北海道国立大学機構の様々な研究をご紹介して参ります。今回は、北見工業大学で進められている研究について、ご紹介いたします。
風力・太陽光などの再生可能エネルギー発電の導入拡大と、安定した電力供給の両立を目指して
安定した電力供給は社会と人々の生活を維持するために一時も欠かすことのできないインフラです。一方で、その電力の大半は化石燃料を用いた火力発電で生み出されており、温室効果ガスの排出と天然資源の枯渇と言う課題に直面しています。
そこに現在、太陽光や風力といった再生可能エネルギー発電の導入拡大が続いており、このことは温室効果ガス排出量削減やエネルギー自給という点で大きな利点を有しますが、一方、刻々の天候の影響によりどうしても出力が不安定であるという欠点があり,電力系統の安定性を損なう懸念があります。
そこで、再生可能エネルギー発電の導入拡大と、電力系統の安定性を両立すべく、以下のような研究を行っています。
1.大規模ウィンドファームにおける出力安定化
風力発電において、変動吸収・出力安定化のための手法として蓄電池を用いるものが知られていますが、多数の風車が並ぶウィンドファームで蓄電池に頼って出力変動を吸収しようとすると、大量の蓄電池が必要となり、多大なコストがかかります。
そこで、各風車間での出力配分を自動的に定め、ウィンドファーム全体としての合成出力を安定化する出力配分自動制御方式を開発しています。
このような制御方式により、全体の電力系統に接続している場合(系統連系時)でも、電力系統全体から孤立して電源供給を行う場合(独立系統時)のどちらでも、安定した出力制御が実現できます。
2.再生可能エネルギー電源の主力化と電力系統安定化の両立
従来より発電の主力である火力(石炭,天然ガス,重油,軽油)および水力等により発電機を回転させる発電機群においては、発電機を一定の速度で回転させており、その回転の慣性力が電力系統の電圧・周波数を安定化させる作用を発揮しています。
これに対し、太陽光発電や風力発電、さらには蓄電池電源の場合(これらをインバータ電源(※)といいます)、このような回転の慣性力を持たないため電圧・周波数を安定化させる作用がありません。
そこで、インバータ電源が自ら系統電圧・周波数を維持する「グリッドフォーミング(GFM)運転」という新しい制御手法が提唱されており、本研究でも複数のGFM運転インバータ電源が電力系統に接続(連系)されている場合の系統安定性・制御性能を明らかにして、再エネ電源を主力化できる電力系統(グリッド)の設計を目指しています。
さらに、インバータ電源に仮想的な慣性力を持たせて安定して動作させる仮想同期発電機制御により、大容量インバータ電源が電力系統の電圧・周波数安定化に作用するような制御手法を開発することによっても,再エネ電源を主とできる電力系統(グリッド)の設計を目指しています。
(※:インバータ電源
インバータを用いて最終的に直流を交流に変換して電力を供給する電源をいうが、そのままでは、従来主力の回転型発電機のように安定した電圧・周波数の交流電流を供給できるものではない。)
電力変動・安定化の解析・性能評価を進め、再生可能エネルギー発電の導入拡大の可能性、電力供給の安定性を追求すべく研究を進めてまいります。
本件に関する産学官金連携に関するご要望・ご相談はこちら(産学官金連携統合情報センター(IIC) )
【3】イベント等のご案内
1.【北見工業大学】「All time KIT ~Webオープンキャンパス2025~」を公開しました
全国の受験生や保護者のみなさまに北見工業大学の魅力を知っていただくため、特設ページ「All time KIT ~Webオープンキャンパス2025~」を公開しました。
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2.【北見工業大学】令和7年度おもしろ科学実験を開催します
北見工業大学の「おもしろ科学実験」は、小・中学生を対象に、身近な現象をテーマにした実験やものづくりの体験を通して、理科に親しんでいただくイベントとして毎年開催しています。
令和7年度の「おもしろ科学実験」は、8/2(土)に対面でのイベントを開催します。
また、令和2年度から開催している「おもしろ科学実験オンデマンド」も併せて実施します。こちらはぜひご自宅で、ご家族やご友人と一緒にお楽しみください。
・開催会場:北見工業大学キャンパス(北海道北見市公園町165番地)
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【4】トピックス
1.令和6年度 教育研究及び大学経営の活動実績について
北海道国立大学機構(小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学)の令和6年度教育研究及び大学経営の活動実績について機構ホームページに公開いたしました。
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2.【帯広畜産大学】小向映瑠さんが第68回北海道開発技術研究発表会で寒地土木研究所長奨励賞を受賞
第68回北海道開発技術研究発表会(令和7年2月18日(火)~20日(木):札幌市内)において、畜産科学課程農業環境工学ユニット4年(当時)の小向映瑠さん(指導教員:宗岡寿美教授)らが発表した研究と、その際に投稿した論文が「寒地土木研究所長奨励賞」を受賞しました。
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3.【帯広畜産大学】畜大牛乳がリニューアル販売 72℃15秒殺菌に!
帯広畜産大学では、6月17日(火)よりリニューアルした「畜大牛乳」の販売を開始しています。
なお、「畜大牛乳」は帯広畜産大学生活協同組合のほか、十勝管内のスーパー(ハピオ、ダイイチ、フクハラ(一部お取り扱いのない店舗がございます))、べんぞう商店)などでお買い求めいただけます。
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4.【帯広畜産大学】「ちくだいらんぷプロジェクト」令和7年度企画審査会を実施
ちくだいらんぷプロジェクトは、「学生のチャレンジ」をキーワードに、学生の創造的なアイデアの実現を後押しする帯広畜産大学と帯広市をはじめとする連携機関が参画しているプロジェクトです。学生たちが自分のアイデアを実現するために様々なことに挑戦し、その結果、帯広・十勝の活性化に貢献することを目指しています。今年度は、文化・スポーツコース5件、おびひろ動物園活性化コース3件、地方創成・地域活性化コース4件の応募があり、5月28日(水)に帯広畜産大学と連携機関の審査員が参加して企画審査会が実施されました。
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5.【北見工業大学】本学大学院生2名(交通工学研究室)が一般社団法人北海道舗装事業協会の舗装研究助成に採択されました
このたび、本学の大学院博士前期課程 工学専攻 社会環境工学プログラム2年の真田拓磨さんと同1年の香川一説さん(ともに交通工学研究室、指導教員:富山和也教授)が、一般社団法人北海道舗装事業協会の舗装研究助成に採択されました。本研究助成は、大学等の学生や本協会会員企業に所属する若手技術者が行う舗装研究を奨励し促進することで、舗装技術の向上ならびに学生や若手技術者の研究意欲向上を図ることを目的に、研究費の一部が支援されるものです。
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6.【北見工業大学】本学大学院生が2025年度資源・素材学会北海道支部春季講演会において若手優秀講演賞を受賞
6月7日(土)、札幌エルプラザで開催された、2025年度資源・素材学会北海道支部春季講演会において、本学大学院生の由本達真さん(博士前期課程 社会環境工学プログラム2年、指導教員:中村大教授[地盤凍結・緑化工学研究室])のプレゼンテーションが高く評価され、若手優秀講演賞を受賞しました。
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7.【北見工業大学】Skip~KIT girls voice~を更新しました
本学女子学生の大学生活や活動に関する情報発信を行う「Skip ~KIT girls voice~」の “Vol.17 2025年6月号” を公開しました。今回は、今井優杏さん(大学院博士前期課程 工学専攻 応用化学プログラム1年)へのインタビューを実施しました。
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8.【北見工業大学】北見工業大学学生広報委員任命式を挙行しました
6月2日(月)、北見工業大学学生広報委員任命式を挙行し、榮坂俊雄学長からメンバーへの挨拶の後、一人ひとりに任命書が手渡されました。“北見工業大学学生広報委員”は、広報戦略室における広報活動の一環として、学生に北見工業大学の魅力を発信してもらうため、2023年11月に発足しました。今年度は新入生4名を含む9名を任命し、2026年3月31日までの任期で、学生の目線から本学の広報活動を担当してもらうこととなります。
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9.【北見工業大学】令和7年度構内美化作業を実施しました
6月19日(木)、本学学生および教職員による、キャンパス周辺の環境美化維持を目的とした「構内美化作業」を実施しました。この活動は本学の毎年恒例の行事となっており、初夏から秋頃(夏季休暇期間を除く)の昼休み時間を利用して、構内および周辺道路の清掃を行うものです。
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10.【北見工業大学】(論文発表)知床連山において永久凍土の存在を発見
本学地球環境工学科の大野浩准教授を中心とした研究チームは、北海道東部の世界自然遺産である知床連山において永久凍土の存在を発見し、このたび研究内容が「Permafrost occurrence at Mt. Sashirui, Shiretoko mountain range, eastern Hokkaido, Japan」として学術専門誌Bulletin of Glaciological Researchに掲載されました。
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11.【小樽商科大学】YOSAKOIソーラン祭りで、本学YOSAKOIソーランサークル「翔楽舞」がファイナル進出・優秀賞を受賞しました
2025年6月4~7日にかけて開催された「第34回YOSAKOIソーラン祭り」で、本学YOSAKOIソーランサークル「翔楽舞」が見事ファイナルに進出し、優秀賞を受賞しました。さらに、映像参加企画においても「空知賞」を受賞しました。「翔楽舞」は2008年に創部され、今年で16回目のYOSAKOIソーラン祭りへの出場となります。これまでに、3度のセミファイナル(ブロック2位)進出を果たしてきましたが、チームの悲願であったファイナル(ブロック1位)進出は、今回が初めての快挙となります。
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