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2026/06/23

国立大学法人北海道国立大学機構メールマガジン Vol.24(令和8年6月号)

目次

【1】ISHIYAグループと「包括連携協定」を締結及び「十勝あんこ共同研究講座」を開設
【2】研究活動紹介(北見工業大学 川合 政人 助教)
【3】イベント等のご案内
【4】トピックス

【1】ISHIYAグループと「包括連携協定」を締結及び「十勝あんこ共同研究講座」を開設

令和8年5月27日(水)、帯広畜産大学は、石屋製菓株式会社、十勝製餡株式会社、サザエ食品株式会社および株式会社150Fプランニングと、学術の振興、北海道・十勝地域におけるフードシステムの発展ならびに北海道農業への貢献を目的として、連携・協力に関する協定を締結しました。

この協定は、小豆および小豆加工品の需要低下に伴う環境変化を踏まえ、生産から消費に至る小豆の安定供給体制の構築や高付加価値化等に資する研究開発、人材交流を推進するものです。これにより、北海道の畑作農業および実需者への技術提供を通じて、地域産業の発展と地域貢献を目指します。

十勝製餡株式会社柳澤代表取締役社長、石屋製菓株式会社石水代表取締役社長、長澤学長、サザエ食品株式会社渡邉代表取締役社長、株式会社150Fプランニング近藤代表取締役(左から)

詳しくはこちらのプレスリリース資料をご覧ください。
ISHIYAグループのHPはこちらをご覧ください。

【2】研究活動紹介

このコーナーでは、北海道国立大学機構の様々な研究をご紹介して参ります。今回は、北見工業大学で進められている研究について、ご紹介いたします。

 圧縮空気を利用した蓄電技術 ~小規模分散型エネルギー貯蔵技術~

研究概要

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、発電量の変動を吸収し、非常時にも利用可能な分散型エネルギー貯蔵技術が求められています。ここで紹介する圧縮空気エネルギー貯蔵(Compressed Air Energy Storage, CAES)は、電気を空気の圧力エネルギーとして貯蔵し、必要に応じて空気の圧力を電気に再変換するシステムです。CAESは大規模な実用システムから小規模分散型システムまで幅広い適用性があり、不燃性、長寿命、小型、圧力の変動にも対応という利点があることから、蓄電池を補完する技術として期待されています。

(1)圧縮空気による蓄電システム

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力の需給バランスを調整するための蓄電技術の重要性が高まっています。代表的な蓄電技術としては蓄電池が広く用いられていますが、多くの工場や大規模病院では、高圧空気を扱うための圧縮機、配管、空気タンクなどの設備が既に整備されています。これらの既存設備を活用し、比較的低い導入コストで蓄電および発電を行える点が、圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)のメリットの一つです。

図1に、CAESのシステム概念図を示します。余剰電力が発生しているときには、図1左側の蓄電設備を用いて、モータで圧縮機を駆動し、大気圧の空気を圧縮して高圧空気タンクへ送ります。圧縮機には、ターボ型や往復動型などがあります。このとき、電気エネルギーは空気の圧力エネルギーとしてタンク内に貯蔵されます。本稿で想定する小規模システムでは、高圧空気タンクの圧力を1 MPa程度まで高めることを想定しています。

一方、発電時には、図1右側の発電設備を用います。高圧空気タンクから供給される圧縮空気を膨張機に導入し、膨張機で発電機を駆動することで電力を取り出します。膨張機には、ターボ型や往復動型などがあります。ターボ型膨張機は、発電所のタービンのように、膨張する空気で羽根車を回す形式です。
火力発電所や原子力発電所では、発生した熱により高圧蒸気を生成し、タービンを回して発電しますが、この方式は大規模かつ安定した高圧蒸気の供給を前提としています。これに対して、小規模工場や地域レベルでの利用を想定したマイクロCAESでは、小型・低流量・高圧条件に適した発電設備が求められます。そのため、発電用の膨張機としては、図2に示すような往復動型膨張機、すなわち自動車のエンジンに類似した構造の膨張機が適していると考えられます。

 

 

 

 

 

 

(2)往復動型膨張機の発電効率の改良

図1のようなCAESシステムでは、貯蔵された高圧空気を発電のために少しずつ使用するため、発電の進行に伴って圧縮空気の圧力は低下します。一方、この圧縮空気の圧力は、図2に示す往復動型膨張機のシリンダ内に流入する空気量や、ピストンの運動に大きく影響します。そのため、給気弁を適切に制御し、シリンダ内への空気の流入タイミングや流入量を調整することで、発電効率を向上できると期待されます。

当研究室では、この給気弁制御について、高速応答型電磁弁を用いて検討を行ってきました。その結果、圧縮空気の圧力に応じて、図3の緑線に示すような最適な給気弁の閉じ角度が存在することを明らかにしました。なお、図3の緑線は、横軸に圧縮空気の圧力、縦軸に給気弁の最適な閉じ角度を示したものです。

さらに、圧縮空気の圧力を計測し、その圧力に応じて給気弁の閉じ角度を最適に制御しながら発電させた場合、図3の赤線に示すような高いエネルギー変換効率を得られることが分かりました。エネルギー変換効率は、圧縮空気から取り出せる仕事量や発電効率に関わる重要な指標です。本結果から、圧縮空気の圧力が変化する条件下においても、給気弁の閉じ角度を適切に制御することで、図3の黒線および黒点線で示される既存報告と比較して高い効率を維持できることが示されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

今後の展望

小型CAESを想定した往復動型膨張機について、高速応答型電磁弁を用いて高いエネルギー変換効率を得る手法を提案し、実機実験によりその有効性を明らかにしました。このようなCAESを用いた蓄電システムは、海外では一部で実用化事例がありますが、日本では今後の普及が期待される段階にあります。

再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、余剰電力を売電するだけでなく、地域や施設内で有効に活用する自家消費型のエネルギー利用が重要になると考えられます。その際、蓄電池に加えて、CAESのような小型分散型の蓄電システムは、発電する時間帯と電力を利用する時間帯をずらす「タイムシフト」の手段として活用できる可能性があります。

特に、工場や大規模病院では高圧空気を扱う設備が既に整っている場合が多く、既存設備を活用した蓄電システムとしての展開が期待されます。また、平常時の余剰電力利用だけでなく、災害時や停電時に貯蔵された高圧空気を発電に利用するバックアップ電源としての活用も考えられます。

さらに、CAESのエネルギー貯蔵密度を高めるためには、貯蔵圧力および膨張機への給気圧力を高圧化することが有効です。高圧化には法規制や安全性への十分な配慮が必要ですが、同じタンク容積でより多くのエネルギーを貯蔵できるため、小型CAESの実用性向上に直結します。今後は、高圧条件に対応した往復動型膨張機の要素技術開発にも取り組み、より高いエネルギー貯蔵密度と高効率発電を両立する小型CAESシステムの実現を目指します。

○ 北見工業大学工学部 地球環境工学科 / エネルギー総合工学コース 研究系 / 機械電気系
助教 川合 政人

\PROFILE/
圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)やCO₂ハイドレート、潜熱蓄熱など、エネルギーを「ためる・運ぶ・取り出す」技術に関する研究に取り組んでいます。また、AM(3Dプリンティング)材料の熱伝導特性評価や熱設計への応用にも取り組み、再生可能エネルギーの有効利用や地域の脱炭素化に貢献する技術開発を進めています。

本件に関する産学官金連携に関するご要望・ご相談はこちら(産学官金連携統合情報センター(IIC) )

 

【3】イベント等のご案内

1.【北見工業大学】2026年度オープンキャンパス(6・7・9月の全3回)を開催します

2026年度オープンキャンパスは、6・7・9月の全3回開催します。

現在、第1回(6/28)・第2回(7/25)開催分の参加申込を受付中です。

詳細はこちらをご覧ください。

【4】トピックス

1.【帯広畜産大学】宮竹史仁教授が日本農業工学会賞を受賞

環境農学研究部門の宮竹史仁教授が、2025年度「日本農業工学会賞」を受賞し、令和8年5月9日(土)に東京大学で開催された「日本農業工学会2026受賞式」において表彰されました。
日本農業工学会賞は、農業工学分野において優れた学術的・技術的成果を挙げ、当該分野の発展に大きく寄与した研究者に授与される賞です。

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2.【帯広畜産大学】岩﨑遼太准教授の論文が「Journal of Veterinary Internal Medicine」誌のTop Viewed Ar​ticleに選出

岩﨑遼太准教授(獣医学研究部門)の論文が、国際学術誌「Journal of Veterinary Internal Medicine」において、年間の「Top Viewed Article(閲覧数上位10%論文)」に選出されました。

「Journal of Veterinary Internal Medicine」は、獣医内科学分野における国際的な学術誌であり、世界中の研究者・臨床獣医師に広く読まれています。今回選出された「Top Viewed Article」は、掲載論文の中でも特に多く閲覧され、関心を集めた研究成果に贈られるものです。

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3.【帯広畜産大学】フードバレーとかち人材育成事業 特別講習「農業関連セミナー第1弾」の募集開始について

帯広畜産大学と帯広市では,フードバレーとかち人材育成事業の一環として,広く一般市民を対象に特別講習「農業関連セミナー」を開催いたします。

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4.【帯広畜産大学】学生サークル「とことこあるこう」がウチダザリガニ防除活動に参加

令和8年5月15日(金)、帯広市まなび野公園において、萩原建設工業株式会社が実施しているウチダザリガニ防除活動に帯広畜産大学ボランティアサークル「とことこあるこう」の学生5名が参加しました。

この活動は、特定外来生物であるウチダザリガニの捕獲・調査を通じて、地域の生態系保全について理解を深めることを目的として、萩原建設工業株式会社が2009年10月から毎年実施しているものです。

今回は、萩原建設工業株式会社と帯広畜産大学研究室が連携して行ったアレチウリ防除活動に「とことこあるこうの」メンバーが参加していたことをきっかけに、本活動への参加が実現しました。

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5.【帯広畜産大学】「チーズ製造学 第3回短期研修会」受講者を募集します

帯広畜産大学では,酪農産業の持続可能な発展に貢献することを目的とし,令和6年6月に「ミルク&チーズコンソーシアム」を設置し,生乳生産を支える乳・乳製品の消費構造の変革を促進し,産学連携による国内トップレベルの乳・乳製品の拠点形成に取り組んでいます。優れた乳製品を製造するための正しい知識と適切な技術習得を目的に,乳業業界の第一線で活躍している技術者・研究者を講師に迎え,下記詳細のとおりチーズ製造学 第3回短期研修会を実施します。

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6.【北見工業大学】ネーミングライツ施設「DYNAX Lecture Room」開設記念式典を開催しました

北見工業大学では、施設やスペースに愛称等の付与を通じて、当該施設等の魅力・知名度の向上を図り、本学及び地域の活性化に資するほか、民間企業等と連携する機会を拡大するとともに、本学の教育研究環境基盤の強化に資することを目的として、令和7年4月からネーミングライツ事業を開始しました。

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7.【北見工業大学】2027大学案内を公開しました

北見工業大学の特徴、学部紹介、研究室紹介、就職・進学やキャンパスライフなど、受験生の皆さんに必要な情報を掲載した、2027大学案内を公開しました。

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8.【北見工業大学】増田名誉教授が叙勲「瑞宝中綬章」を受章

令和8年春の叙勲において、北見工業大学の増田弦名誉教授が瑞宝中綬章を受章されました。

有機化合物を人工的に作り出す方法を研究する有機合成化学の研究に従事され、特にホウ素化合物を利用する新規な合成方法の開発に取り組み、有機合成を指向する有機金属化学の黎明期から、80報を超える研究成果を国内外の関連する主要な学術学会誌に発表し、その後の当該分野の発展に多大な貢献を果たしました。

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9.【北見工業大学】北見工業大学学生広報委員任命式を挙行しました

5月22日(金)、北見工業大学第1会議室において、北見工業大学学生広報委員任命式を挙行しました。“北見工業大学学生広報委員”は、広報戦略室における広報活動の一環として、学生に北見工業大学の魅力を発信してもらうため、2023年11月に発足しました。

今年度は新入生6名を含む11名を任命し、2027年3月31日までの任期で、学生の目線から本学の広報活動を担当してもらうこととなります。

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10.【北見工業大学】「2026Webオープンキャンパス」を公開しました

全国の受験生や保護者のみなさまに北見工業大学の魅力を知っていただくため、特設ページ「2026Webオープンキャンパス」を公開しました。

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11.【小樽商科大学】「聞くビジネススクール」、Audible Business Schoolにチャレンジ

北海道で唯一のMBA(経営管理修士)課程を有する小樽商科大学では、この度「聞くビジネススクール」をコンセプトにした音声教材、”Audible Business School” の制作にチャレンジしました。

最初はマーケティングがテーマ。
小樽商科大学の教員が台本を担当し、北海道文化放送(UHB)のアナウンサーの協力を得て、マーケティングの基礎を理解する4本の音声教材を作成しました。
通勤通学、移動のスキマ時間にぜひ聞いてみてください。

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12.【小樽商科大学】音威子府村とパートナーシップ協定を締結しました

小樽商科大学と音威子府村は、5月19日(火)に音威子府村が推進する新学校「主人髙(しゅじんこう)」をはじめとした人材育成に関して相互に連携し協力することで、地域活性化に資する取組を推進することを目的とするパートナーシップ協定を締結しました。
音威子府村が掲げる人生100年時代の「主人髙」を育てる熱い想いと、本学の「ユニバーサル・ユニバーシティ構想」に基づく、実学の知見やデジタル、クリエイティブな感性が融合すれば、年齢の壁を越えた強力なイノベーションが生まれるものと確信し、本協定締結に至りました。

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13.【小樽商科大学】「経営を学んだ、その先へ。サーチファンドで事業を引き継ぐ」セミナーを開催しました

中小企業の後継者不足や地域産業の持続可能性が課題となる中、グローカル戦略推進センターリカレント教育推進室は令和8年5月24日(日)、小樽商科大学札幌サテライト(札幌市中央区)において、株式会社日本サーチファンドとの共催によるセミナー「経営を学んだ、その先へ。サーチファンドで事業を引き継ぐ」を開催しました。

本セミナーは、事業承継の新たな選択肢として近年注目を集める「サーチファンド」をテーマに、本学のMBAコース修了生・現役生を対象として、「経営者になる」「企業を引き継ぐ」というキャリアの具体像をつかむことを目的に開催したものです。本学の齋藤竹彦特任准教授が進行役を務め、当日は約30名が参加しました。

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

今後も定期的に配信をしてまいりますので、是非ご覧ください。


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