国立大学法人北海道国立大学機構メールマガジン Vol.10(令和7年4月号)
目次
【1】令和6年度オープンイノベーションセンター(ACE)全体会議を開催しました
【2】研究活動紹介(北海道の積雪、特に大雪の実際を現地調査から明らかにし、雪氷環境における防災力の向上に貢献する)
【3】イベントのご案内
【4】トピックス
【1】令和6年度オープンイノベーションセンター(ACE)全体会議を開催しました
令和7年2月28日、エア・ウォーターの森(札幌市桑園)にて、令和6年度オープンイノベーションセンター(以下、ACE)全体会議を開催しました。
ACE全体会議は令和4年度から実施しておりますが、今回は、ACEの活動を機構内外に広くPRすることに重点を置き、ACEがサポートしている研究成果発表を中心とした構成にしました。経営協議会外部委員の方や、会場であるエア・ウォーターの森に入居する外部機関の方にも開催のご案内をしたところ、多くの方々に参加申込をいただき、機構やACEの活動に対し強い関心を寄せていただいていることを実感いたしました。
会議当日は、会場いっぱいにお集まりいただいた70人を超える参加者に向け、ACE 5部門から令和6年度1年間の活動報告の後、ACEが【オープンイノベーション促進共同研究事業】により研究費を支援している研究プロジェクトやZekkeiプロジェクトなど、6件の分野融合型研究の成果を発表しました。研究成果発表では活発な質疑応答が行われるとともに、当該研究の今後の進展や社会実装に向けた建設的な意見も多く寄せられ、ACEにとって、とても有意義な全体会議となりました。
ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
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川口ACEセンター長の開会挨拶 | 会場一杯にお集まりいただいた参加者 | 古林ACE副センター長の閉会挨拶 |
当日の様子などの詳細等についてはこちらをご覧ください。
【2】研究活動紹介
このコーナーでは、北海道国立大学機構の様々な研究をご紹介して参ります。今回は、北見工業大学で進められている研究について、ご紹介いたします。
北海道の積雪、特に大雪の実際を現地調査から明らかにし、雪氷環境における防災力の向上に貢献する
雪氷・気象防災研究室では、雪氷学(特に積雪)と土木工学(特に道路、鉄道)の境界領域を開拓し、「雪氷災害の軽減防除」に貢献することを目指しています。
その基礎となる調査として、毎年北海道各地で広域な積雪調査を実施し、積雪の状況及びその層構造を分析しています。
最近では、2025年2月3日(月)から4日(火)にかけ発生した帯広市の記録的大雪に対しても、北見工業大学「地域と歩む防災研究センター」(SAFER)の突発災害調査研究部門として、積雪後速やかに現地調査を実施し、積雪状況を把握し記録に残しました。
帯広市では、大雪前の積雪はわずか5cmでしたが、それから翌4日午前5時まで6時間で85cm、午前9時まで12時間で120cmの積雪を記録し、12時間降雪量は全国の統計史上最大値となりました。
北海道の寡雪地において、短時間に大量の雪が積もる事例は稀であり、さらにその痕跡が残存している状態で実施された積雪観測の例はほとんど存在しません。この点においても、今回の積雪調査結果は空間閉塞を伴う記録的な大雪に備える対策を検討する上で、貴重な資料となると考えられます。
この帯広での調査実施は、帯広畜産大学と北見工業大学との大学間連携の成果でもあります。
また、雪を利用し、雪に親しむための研究にも力を入れています。現在、富良野スキー場においてパウダースノーの雪質を0~100のスコアで定量評価できる指標「ふわサラ度」の開発と実証研究を進めています。
その環境に人間活動や社会がなければ、私たちは自然現象によって被害を受ける可能性はありません。自然現象と人間社会が絡み合い、自然現象・外力が人間社会のインフラの抵抗力を上回ったとき、災害は発生します。地球規模の温暖化の影響により、これまで降雪が少ないとされてきた地域への大雪、局地的な豪雪など、近年の雪氷環境は大きく変化しています。これに対し、社会基盤となるインフラは老朽化が懸念されております。
自然現象と人間社会の関わりのバランスが変わりつつある今、過去に発生した雪氷災害の事例分析、冬期におけるフィールド観測、気象予測と積雪モデル研究等を通じ、新たな時代の要求に応じた社会の持続的発展に必要な情報を今後も発信し続けられるよう、努力を続けていきます。
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積雪観測(学生の観測) | 幌加内積雪観測(学生の観測) | 積雪観測(観測後・学生) | 積雪観測(観測後) |
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霜の結晶 | 帯広大雪の断面写真 | 帯広大雪の市内の様子 | 帯広大雪の市内の様子 |
○ 北見工業大学工学部社会環境系 准教授、
「地域と歩む防災研究センター」(SAFER)突発災害調査研究部門長、気象予報士 白川 龍生
本件に関する産学官金連携に関するご要望・ご相談はこちら(産学官金連携統合情報センター(IIC) )
【3】イベントのご案内
1.北海道国立大学機構シンポジウムを開催します
産学官金連携の発展及び北海道の未来を拓く人材育成をテーマとして、「北海道国立大学機構シンポジウム」を開催いたします。シンポジウムでは、当機構の取組紹介に加えて、北海道経済連合会名誉会長 真弓 明彦 氏による講演、以下のパネリスト等によるパネルディスカッション、レセプション等を予定していますので是非ご参加ください。
・開催日時:令和7年7月31日(木) 14:00~17:30(予定)
・場所:京王プラザホテル札幌及びオンライン
・基調講演:北海道経済連合会名誉会長 真弓 明彦 氏
・パネルディスカッション:
【ファシリテーター】東京科学大学副学長(産学官連携担当)/北海道国立大学機構客員教授 飯田 香緒里 氏
【パネリスト】ニセコ町長 片山 健也 氏、株式会社セコマ代表取締役会長 丸谷 智保 氏、株式会社ホクリヨウ、中道リース株式会社、北海道コカ・コーラボトリング株式会社社外取締役(元北海道新聞帯広支社長) 日浅 尚子 氏、北海道銀行頭取 兼間 祐二 氏
お申し込み方法等、詳細については決まり次第、改めてお知らせします。
【4】トピックス
1.令和6年度北海道リカレント教育プラットフォームシンポジウムを開催
当機構教育イノベーションセンター(ICE)では、3月6日(木)に令和6年度北海道リカレント教育プラットフォームシンポジウムを開催しました。本シンポジウムは、昨年度に引き続き採択された文部科学省「地域ニーズに応える産学官連携を通じたリカレント教育プラットフォーム構築支援事業」採択事業として、今年度取り組んだ成果を広く還元し、今後のリカレント教育や北海道の地域課題解決を考えるきっかけとなることを目的としたものです。当日は会場参加者32名、オンライン参加者92名、計123名と多くの参加がありました。
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2.全国学生調査(文部科学省)結果の三大学比較を公表
当機構教育イノベーションセンター(ICE)は、本年度に文部科学省が試行実施し三大学が参加した「全国学生調査」の結果を取りまとめ、三大学比較を公表いたしました。
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3.令和6年度ACEオープンイノベーションセミナーを開催
当機構オープンイノベーションセンター(ACE)では、3月18日(火)に札幌市にあるエア・ウォーターの森において、オープンイノベーションセミナーを開催しました。今年度は、「産×学×官で北海道の未来を共創する~新しい健康社会の実現に向けた北海道におけるヘルスケアイノベーション~」をテーマとして開催し、50名を超える方が参加されました。
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4.【小樽商科大学】本学学生が金融・経済学習コンテスト「日経STOCKリーグ」で入選
日本経済新聞社主催の金融・経済学習コンテスト「第25回日経STOCKリーグ」(特別協賛:野村ホールディングス)において、小樽商科大学商学科 石川業ゼミの学生が入選を果たしました。
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5.【小樽商科大学】地方創生カレッジWebサイトに「学生が主役の地方創生プロジェクトin小樽・朝里川温泉」が掲載されました
小樽商科大学の正課科目「社会連携実践Ic・IIc」の本気プロ(マジプロ)と公益財団法人 日本生産性本部が連携して実施した「学生が主役の地方創生プロジェクトin小樽・朝里川温泉」の特集ページが、地方創生カレッジのWebサイトに掲載されました。
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6.【帯広畜産大学】本学学生が2024年度日本土壌肥料学会北海道支部秋季大会で優秀ポスター賞を受賞
令和6年12月5日(木)に旭川市で開催された2024年度日本土壌肥料学会北海道支部秋季大会において、帯広畜産大学大学院博士課程後期2年のElton Amadeus Francisco(エルトンアマデウス フランシスコ)さん(指導教員:谷昌幸教授)が優秀ポスター賞を受賞しました。
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7.【帯広畜産大学】「畜大生グローバルチャレンジ」で派遣される学生がオーストラリアへ出発します
帯広畜産大学では、令和7年2月25日(火)に令和6年度帯広畜産大学基金助成事業「畜大生グローバルチャレンジ」に選ばれた大学院博士前期課程畜産科学専攻1年 北久保希愛さんがオーストラリア・ブリスベンへの出発前に学長を訪問しました。畜大生グローバルチャレンジは、海外留学を通じた国際感覚の醸成及び世界で活躍できるグローバル人材の育成を目的に実施するもので、海外留学に係る費用の一部を帯広畜産大学基金により支援しています。
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8.【帯広畜産大学】「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の出発挨拶を行いました
帯広畜産大学では、令和7年2月27日(木)に「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の第16期生に選ばれた共同獣医学課程2年 寺元凜太郎さんがケニアと南アフリカへの出発前に学長を訪問しました。本プログラムは、日本人学生の海外留学促進・グローバル人材の育成を図るため国と企業が連携し、創設された海外留学奨学金制度(給付型)です。
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9.【帯広畜産大学】北海道自然電力と連携し「営農型太陽光発電のパイロット実験の現地見学会・講演会」を開催
帯広畜産大学では、2月26日(水)に北海道自然電力株式会社と「営農型太陽光発電に関するパイロット実験の現地見学会ならびに講演会」を開催しました。本取組は令和6年8月20日に北海道十勝の農畜産業における営農型太陽光発電実証研究等を通して、十勝地域のカーボンニュートラルの実現及び持続的発展に貢献するため締結した連携協定の一環として行われたものです。
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10.【帯広畜産大学】ポーランドのヴロツワフ環境生命科学大学との学術交流協定を延長
帯広畜産大学とヴロツワフ環境生命科学大学は、2022年に締結した学術交流協定を5年間延長することに合意し、3月5日(水)にその合意文書を取り交わしました。学術交流協定の延長により、今後両大学における獣医学教育や研究での連携とその発展が強く期待されます。
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11.【北見工業大学】社会環境工学プログラム修士学位論文発表会 環境防災工学コース・社会インフラ工学コース合同卒業研究発表会 ベストプレゼンテーション賞受賞者決定
北見工業大学では、2月4日(火)に大学院工学研究科工学専攻社会環境工学プログラムの「修士学位論文発表会」、2月13日(木)~14日(金)に環境防災工学コース及び社会インフラ工学コース合同の「卒業研究発表会」を実施し、それぞれの発表会において、優秀な発表を行った発表者にベストプレゼンテーション賞を授与しました。
受賞者等の詳細はこちらをご覧ください。
12.【北見工業大学】情報通信系プタシンスキ,ミハウ エドムンド准教授が「IEEE Standards Association」から感謝状を贈呈されました
北見工業大学情報通信系 プタシンスキ,ミハウ エドムンド准教授が「IEEE Standards Association」(※IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers/米国電気電子学会)は電気・情報工学分野の学術研究団体で、その一部門に属するIEEE Standards Association(IEEE-SA)は、IEEEにおける標準化活動を行っています。)から感謝状を贈呈されました。この表彰は、プタシンスキ准教授が参加するワーキンググループが2019年から取り組んでいるプロジェクトへの貢献が認められたことによるものです。
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13.【北見工業大学】2025年冬期の摩周湖の全面結氷予測レポートを発表
北見工業大学社会環境系の亀田貴雄教授による、2025年3月21日付けの最新予測レポートを公開しました。
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14.【北見工業大学】本学大学院生が「HOKKAIDO学生アプリコンテスト2025」において最優秀賞(北海道経済産業局長賞)とフェンリル賞をW受賞
一般社団法人北海道モバイルコンテンツ・ビジネス協議会主催「HOKKAIDO学生アプリコンテスト2025」において、北見工業大学大学院博士前期課程工学専攻2年の平塚心太朗さん(主指導教員:酒井大輔准教授)が、最優秀賞(北海道経済産業局長賞)とフェンリル賞をW受賞しました。
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15.【北見工業大学】令和6年度学生表彰式を実施しました
北見工業大学では、3月7日(金)に「令和6年度学生表彰式」を挙行し、成績優秀学生12人、学長賞1人、ミント賞5人及び3団体の受賞者をそれぞれ表彰しました。表彰式では、榮坂俊雄学長からお祝いの言葉と共に表彰状と記念品が贈呈され、表彰された学生たちは参列した教員や友人・家族に見守られながら誇らしげに受け取っていました。最後に、榮坂学長から受賞者へ向けて今後の益々の活躍を期待し、激励の言葉が贈られました。
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16.【北見工業大学】機械電気系 小原伸哉教授が空気調和・衛生工学会「学会賞論文賞学術論文部門」を受賞
北見工業大学機械電気系 小原伸哉教授が、公益社団法人 空気調和・衛生工学会の第63回学会賞論文賞【学術論文部門】を受賞しました。今回受賞した論文題目は、公益社団法人 空気調和・衛生工学会 論文集(No.312)に掲載された、「PEM水電解セルの変動再エネ追従性能 第1報―低コストNi-CNO触媒カソード電極を用いたケース」です。
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17.【北見工業大学】おかねチップスアワードが選出する「デジタル時代を支える人材創出大学アワード」でBRONZEを受賞
お金や仕事に関する情報を発信するプラットフォームおかねチップスが提供するおかねチップスアワードの「デジタル時代を支える人材創出大学アワード」で北見工業大学がBRONZEを受賞しました。デジタル社会で求められるスキルや知識を幅広く身につけられる環境づくりに取り組み、将来にわたって成長できる学習環境やキャリア支援を提供している“大学”を称えることを目的とした審査が行われ、北見工業大学は「これからの時代の最先端をいく、未来志向の取り組み」が高く評価されました。
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18.【北見工業大学】(論文発表)携帯電話を利用した接触追跡の感度向上へ~比較分析による最適な手法の探求~
北見工業大学 奥村貴史教授、升井洋志教授らの研究グループは、COVID-19の感染拡大抑制策として多くの国で導入されたデジタル接触追跡(DCT)において、新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAなどが採用するBluetooth Low Energy(BLE)方式と、パンデミック以前から研究が進められていた携帯電話基地局の接続情報を活用するCIRCLE(Computation of Infection Risk via Confidential Locational Entries)方式を比較分析し、感染状況に応じて異なる特性を持つDCT技術を使い分けることで接触追跡の実用性を向上させる方策を提案しました。
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