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2026/08/31

IIC News Letter 第23号(令和8年8月配信)

<IIC News Letter第23号>

北海道国立大学機構(北学機構)・産学官金連携統合情報センター(IIC)がお届けするニュースレターです。

研究や人材育成の取り組み、行政・サービス機関、産業界からの最新情報をわかりやすく皆様にお届けします。

 

目次

1. 就職人気ランキングから考える~学生は北海道を選ぶ?~

2. 北海道の「食」は、付加価値が低い?

3. 知財をめぐる動き

 

1. 就職人気ランキングから考える~学生は北海道を選ぶ?~

「北海道の若者が東京へ流出する」。

北海道の人口減少を語るとき、よく聞く言葉です。では、北海道の若者は、本当に北海道で働きたくないのでしょうか。

2027年卒の北海道の就職人気企業ランキングでは、1位ニトリ、2位アイングループ、3位北洋銀行、4位北海道銀行。5位以下にもツルハ、よつ葉乳業、石屋製菓、セコマなど。北海道に本社を置く企業を、学生が就職先として選んでいることがわかります※1

 

北海道エリアのランキング
(2027年3月卒業・修了見込みの学生を対象としたアンケート結果 マイナビキャリアリサーチLab)

この結果を見ると、北海道が嫌だから出ていくとは限らない。

一方、北海道出身者の地元への就職意向を見ると、就職活動が始まる前は「地元で働きたい」と考えていた学生が7割強だったのに対し、就職活動開始後には6割半ばまで低下するそうです※2

そして、地域・地元で就職しなかった理由として最も多かったのは、「やりたい仕事や働きたい会社が東京圏・大阪圏にしかなかった」というもの※3

つまり若者にとって問題なのは、「北海道か東京か」ではなく、「自分がやりたい仕事は、どこにあるのか」なのかもしれません。

北海道には、農業、食品、観光、製造、IT、エネルギー、物流など、地域の産業を支える企業が数多くあります。しかし、その仕事が学生に見えているとは限らない

世界中に製品を出荷している企業であっても、学生にとっては、企業名や事業内容を知らなければ「どんな会社なのか分からない企業」に過ぎません。その企業が持つ技術や社会への貢献まで知られていないこともあります。

たとえば、北海道の農業を支える重要な技術を持つ企業であっても、その仕事内容や技術が農業を支えていることを知る機会がなければ、学生にとって就職先の候補にはなりにくい

一方で、ニトリやセコマ、よつ葉乳業、石屋製菓などは、学生が日常生活の中で企業や商品に接する機会があります。

北海道に魅力的な企業が少ないのではなく、学生が知っている企業や、仕事内容を具体的にイメージできる企業に、就職先の選択肢が偏っている可能性があります。

そのため、企業には「北海道にいながら何ができる会社なのか」を伝えることが求められます。自治体や経済団体には、地域企業を単に「地元企業」として紹介するのではなく、若者が将来の仕事として具体的に想像できる形で見せることが求められます。そして大学には、学生を北海道に「残す」ことだけではなく、北海道にどんな仕事があり、その仕事が社会のどこにつながっているのかを示すことが必要です。今後取り組むべき重要な課題です。

就職人気ランキングを見るとき、注目したいのは「1位はどこか」ではなく、「北海道の産業のうち、学生に見えている仕事はどこまでなのか」ということです。

若者を北海道に留めることより先に、北海道でできる仕事を、若者が知っている状態をつくる。

大学にとっても、考える余地があるテーマです。そこに、大学が地域の企業や自治体と一緒に取り組む意味があると感じます。

北学機構と一緒に考えませんか。お問い合わせはワンストップ窓口まで。

 

<以下の資料をもとに作成しています。>
※1:マイナビ キャリアリサーチLab  https://career-research.mynavi.jp/reserch/20231204_65418/

※2:就職みらい研究所 https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2025/03/chiiki_2025.pdf

※3:LO活 就職先決定調査アンケート https://local-syukatsu.mhlw.go.jp/syukatsu/questionnaire_2025/

 

 

2. 北海道の「食」は、付加価値が低い?

北海道の食品産業は、すでに大きな産業です。

2024年の統計では、道内の製造品出荷額6兆7,747億円のうち、食料品製造業だけで2兆4,405億円。全体の36%を占めます。食品の製造品出荷額は、堂々の全国1位です※4

北海道には、小麦、じゃがいも、豆類、牛乳、水産物など、全国に誇れる食資源があり、大きな強みです。

では、この強みを次にどう伸ばしていくのか。北学機構から地域の産業を見ていると、ここに研究すべきテーマがあるように感じます。その一つの手がかりが、「付加価値」です。

付加価値とは、原材料や燃料などを外部から購入し、それらを製造や加工などの過程を通じて、企業が新たに生み出した価値のことです。2022年の北海道の食品工業の付加価値率は26.9%で、全国43位。全国平均を4.2ポイント下回っています※5

 

この結果をみて考えるのは、北海道を代表する大きな産業に、研究や技術によって、さらに新しい価値を加えられるのではないかということです。

例えば、新たな加工方法や保存性、品質の安定、新しい食品への利用など、さまざまな研究につながります。また、新たな成分機能による商品開発や、未利用資源の活用なども考えられます。食品工場においては、製造工程の改善、食品ロスの削減、新しい素材の開発など、研究できるテーマは身近にあります。

このような研究には、食品や農業だけでなく、工学、情報、バイオ、化学、デザイン、経営、知的財産など、さまざまな分野の知識が関わります。

企業が日々の仕事の中で感じている「もう少し品質を安定させたい」、「この副産物を何かに使えないか」、「この工程を改善できないか」といった課題。こうした現場の疑問を研究につなげることで、新しい製品や製造方法が生まれ、特許などの知的財産権の獲得につながる可能性もあります。

北海道には、すでに大きな食品産業があります。だからこそ、次に考えたいのは、今ある原料や製品、技術に、どんな研究や技術を加えれば、さらに価値を高められるかということです。企業にとっても、自治体や経済団体にとっても、そして大学にとっても、考える余地のあるテーマです。

北学機構は地域の大学として、北海道の食品産業を支える企業や自治体とともに、こうした可能性を研究につなげていきたいと考えています。

お問い合わせは、ワンストップ窓口まで。

<以下の資料をもとに作成しています。>
※4:北海道データブック2026_工業・企業立地 https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/databook/260924.html

※5:北海道開発局 北海道の食品工業に関するヒアリング結果 https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/ki/chousa/u23dsn0000001rud-att/k5m5qg0000005tub.pdf

 

 

3. 知財をめぐる動き

――知財活用ビジネスプランコンテスト

「知財活用ビジネスプランコンテスト」という大会があります。日本弁理士会が開催しており、2026年度は9月30日まで応募を受け付けています※6

特徴は、特許・意匠・商標を取得していなくても応募できること。スタートアップ(ベンチャー)、中小企業者、これから起業を目指す人が応募対象となります。新たな技術・デザイン・商標を使ったブランディングにより、どうように事業を行っていくかを見るコンテストです。

北海道の大学や企業にも、長年の仕事の中で培われた技術やノウハウ、地域で知られる商品やブランドがあります。こうしたものを、知財という視点から考えてみるきっかけになりそうです。

※6:日本弁理士会「第6回知財ビジネスコンテスト」 https://www.jpaa.or.jp/about-us/attached_institution/management/bpc/

 

――9月、知財・情報フェア&コンファレンスに出展します

9月16日~18日に、東京ビッグサイトで「2026知財・情報フェア&コンファレンス」が開催されます※7

北学機構も出展を予定しています。

ブースでは、北学機構の知的財産に関する取り組みや、研究成果の社会実装に向けた活動などを紹介する予定です。北学機構では、研究成果を生み出すだけでなく、その成果をどのように社会につなげていくか、知的財産をどう扱うかという取り組みも行っています。

今回の知財・情報フェアを通じて、こうした北学機構の活動を知っていただく機会にしたいと考えています。

ぜひ会場までお越しください。

※7:第35回 2026知財・情報フェア&コンファレンス https://pifc.jp/2026/index.html

 

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IIC News Letterでは、地域の課題を解決し、新たな価値を共創するための情報を発信しています。また、企業へのインタビューなどを通して、地域の未来をいっしょに考える場づくりにも活用しています。

ご意見、ご要望もお待ちしています。お気軽にお問合せください。

 

国立大学法人北海道国立大学機構
産学官金連携統合情報センター(IIC)
〒080-8555 帯広市稲田町西2線11番地
Tel:0155-65-4344
E-Mail:iic@office.nuc-hokkaido.ac.jp

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