機構の概要理事長挨拶/プロフィール

2022 年4 月1 日、国立大学法人北海道国立大学機構が誕生しました。
小樽・後志、帯広・十勝、北見・オホーツクと北海道の広域で、商学、農畜産学、工学分野の特色ある教育研究を展開してきた小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学が三国立大学法人の経営統合という全国初の試みを実現しました。

大学は教育研究を担当する教学部門と法人運営を担当する経営部門が両輪となってはじめて前進します。北海道国立大学機構は三国立大学の教育研究連携をリードして「実学の知の拠点」を形成し、合わせて産学官金連携によって北海道経済・産業の発展と国際社会の繁栄、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
この目標を達成するために、自己資金の獲得など経営努力による財政基盤の強化、三大学の連携による分野横断、分野融合型の教育研究プロジェクトの創設、IT、AI を活用した教育研究の高度化、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による法人運営の効率化と働き方改革を柱とする改革を進めます。

長谷山 彰

近年、気候変動や大規模災害、食料、格差、紛争など地球規模の課題が顕在化してきましたが、これに加えて新型コロナウイルス感染症の拡大を契機に、社会は大きく変化しつつあります。必要に迫られてはじめた対面とオンラインのハイブリッドな教育や法人運営ですが、地理的制約を超えた大学の広域連携、教育研究におけるイノベーションの創出、そして働き方改革によって人々が豊かな人生をデザインできる可能性を秘めています。
デジタルとアナログが融合する新しい教育研究の展開によって、氾濫する情報に惑わされず物事の本質を見抜く強靱な思考力と想定外の事態に対応する独創性を備えた人材を育成し、食料、エネルギー、防災、経済格差などの地球規模の課題に取り組む先端研究を通じて、社会的なイノベーションの創出に貢献することができます。

18 才人口の減少や産業構造の変化など解決すべき課題はありますが、食糧自給率約200%、風力、太陽光発電など新エネルギー導入ポテンシャル日本一、農林水産・観光資源に恵まれ、都道府県魅力度ランキング日本一の北海道は、大学生が豊かな学生生活を送り、研究者が世界から集う「知の拠点」にふさわしいエリアであり、大学と地域が連携することで輝かしい未来が開けます。
地域とともに歩み、地域とともに発展する北海道国立大学機構の挑戦は今、始まったばかりです。
皆様のご指導と温かいご支援を賜りますようお願い申しあげます。

国立大学法人北海道国立大学機構理事長

長谷山 彰

プロフィール

長谷山 彰(はせやま あきら)
1952年秋田市生まれ、仙台市育ち
1975年慶應義塾大学法学部法律学科、1979年同大学文学部史学科を卒業
1981年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了
1984年慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻博士課程単位取得満期退学
1987年駿河台大学法学部専任講師、助教授を経て、1994年教授
1997年慶應義塾大学文学部教授に就任
その後、学生総合センター長兼学生部長、大学附属研究所斯道文庫長を歴任
2007年に文学部長、2009年慶應義塾常任理事に就任
2017年から2021年まで慶應義塾長
2022年から北海道国立大学機構理事長
他、日本私立大学連盟会長、日本私立大学団体連合会会長などを歴任
現在、全日本大学野球連盟会長、人文知応援フォーラム理事などを務める
専門は法制史・日本古代史、法学博士