国立大学法人北海道国立大学機構メールマガジン Vol.8(令和7年2月号)
目次
【1】三大学単位互換科目「健康スポーツⅡc『スキー集中授業』」
【2】研究活動紹介(自然言語処理を活用し、政治・金融・観光の課題解決に取り組む)
【3】イベントのご案内
【4】トピックス
【1】三大学単位互換科目「健康スポーツⅡc『スキー集中授業』」
令和6年12月25日(水)から27日(金)の3日間、三大学単位互換科目「健康スポーツⅡc『スキー集中授業』」を実施し、三大学の学生64名が参加しました。
三大学単位互換科目は、小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の学生が、在籍大学以外の大学の科目を履修できる当機構ならではの制度です。多くの学生が他大学の科目を履修し、学問の幅を広げています。中でも「スキー集中授業」は、三大学の学生が一堂に会し共に学ぶ貴重な機会で、宿泊を伴う交流会も合わせて開催しています。
本年度の交流会には、長谷山理事長と江頭教育イノベーションセンター長も参加し、学生と親睦を深めました。交流会は自己紹介からはじまり、授業一日目の感想や大学での活動、残り二日間の授業に向けての意気込みなどを語り合い、交流を深めました。中には、初めてスキーを履いた学生もおり、「スキーが想像よりも重たかった」「立つことさえ難しかった」など、新鮮な経験に感動した様子でした。学生たちは疲れを忘れて交流を楽しんでいました。
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教育イノベーションセンターは、三大学が連携した科目に積極的に参加する学生を増やすことで、機構やそれぞれの大学への理解を深め、学生の相互交流が活性化することを目指しています。次年度以降は、女子学生体育系部活動や文化系部活動など、より幅広い交流を検討していく予定です。将来的には、学生が自発的に交流活動を企画・実施するまでに発展することを期待しています。
【2】研究活動紹介(自然言語処理を活用し、政治・金融・観光の課題解決に取り組む)
このコーナーでは、北海道国立大学機構の様々な研究内容をご紹介して参ります。今回は、小樽商科大学で進めている研究について、ご紹介いたします。
自然言語処理を活用し、政治・金融・観光の課題解決に取り組む
木村泰知(小樽商科大学)
会議録などの地方議会に関する文書や有価証券報告書などの金融文書を対象に、自然言語処理(NLP ; Natural Language Processing)技術を活用し、政治・金融分野における課題解決に取り組んでいます。
NLPとは、人間が日常的に使用する自然言語(日本語や英語など)をコンピュータが処理できるようにする技術です。近年、大規模言語モデル(LLM; Large Language Model)の進展により、その性能は飛躍的に向上しています。しかし、LLMは、生成過程がブラックボックスであるために説明性に課題があり、誤情報や偽情報の生成による安全性・信頼性の問題が指摘されています。
そこで、一次情報や政府・地方公共団体が公開する信頼性の高いデータに基づき、根拠を明確にするための研究を進めています。具体的な取り組みとしては、北海道十勝管内の市町村の議会会議録を活用しつつ、根拠を明確にしながら地域課題を解決することを目指した研究に取り組んでいます。
各市町村の議会会議録は公開資料であり、そこには、いつどこで誰が何を発言したのかが正確に記載されていますが、その会議の進行形式や記録のフォーマット、レイアウトなどは市町村ごとに異なっています。それを分析可能とすべくデータを変換し項目を整理することにより、特徴語(地域課題)とその根拠となる発言を抽出・検索できるようなり、これにより例えば各自治体に共通する課題を明らかにすることができます。
また、小樽市の観光調査においては、質問応答技術と音声合成キャラクターを組み合わせた観光案内システムを作成し、キャラクターとの対話履歴により観光客のニーズ調査を試みています。
(参考:地方議会会議録コーパスプロジェクト)
今後は、大規模言語モデル(LLM)を活用しつつ、テキスト、動画、音声、表形式データなど多様なデータを統合した「地方政治データ利活用基盤」を構築する予定です。本基盤を用いて、北海道十勝管内の農業の問題や選挙の問題などを解決するための研究を行うことを考えています。
○ 小樽商科大学社会情報学科 教授 木村 泰知
本件に関する産学官金連携に関するご要望・ご相談はこちら(産学官金連携統合情報センター(IIC) )
【3】イベントのご案内
1.【帯広畜産大学】令和6年度災害復興支援コンサート ~帯広・十勝に花は咲く~を開催します
帯広畜産大学では、東日本大震災をきっかけとして帯広畜産大学が実施してきた震災の復興支援事業の取り組みをもとに、地域の皆さまと協力して能登半島地震及び大雨災害に対するチャリティイベントを開催します。
・開催日時:3月9日(日) 13:00~15:30(予定)
・場所:帯広畜産大学講堂
詳細及びお申込みはこちらをご覧ください。
2.【帯広畜産大学】令和7年度馬産業人材育成プログラムの受講生を募集します
帯広畜産大学では、地域及び国内の馬産業に従事する人材を育成することを目的に、馬に関する専門的な知識及び実践的な技術習得を目指した「馬産業人材育成プログラム」を令和7年度4月より開講いたします。
・定員:20名 ※定員を超過する場合は学内で選考のうえ、受講生を決定
・募集期間:1月22日(水)~2月25日(火)【必着】
詳細及びお申込みはこちらをご覧ください。
3.【北見工業大学】第8回及び第9回公開講座を開催します
北見工業大学では、第8回公開講座「異文化理解講座」、第9回「コミュニケーション能力を高めよう!~心理学の知見を活用したカウンセリングの仕方~」を開催します。
[第8回] ・開催日時:2月15日(土) 10:30~12:00 ・場所:北見工業大学3号館2階 多目的講義室 |
[第9回] ・開催日時:3月4日(火) 18:00~19:30 ・場所:北見工業大学3号館2階 多目的講義室 |
詳細及びお申し込みはこちらをご覧ください。
【4】トピックス
1.長谷山理事長による年頭挨拶を行いました
長谷山理事長による年頭挨拶を行いました。今年は三大学教職員及び機構本部職員に向けて、オンデマンド配信にて実施しました。
年頭挨拶本文についてはこちらをご覧ください。
2.令和6年度Executive MBAプログラム(EMBA)~Humanior(フマーニオール)~を開催しました
11月27日~29日 第1ステージ(開催場所:小樽)、12月8日~11日 第2ステージ(開催場所:札幌)にて、令和6年度Executive MBAプログラム(パイロットコース)~Humanior(フマーニオール)を開催いたしました。
このプログラムでは、現代社会でビジネスリーダーに求められる人間性は4つの要素(1.物事の本質を問う力、2.自然・社会・人間に対する洞察力、3.科学的知見に基づく包容力、4.リーダーとしての教養と感受性)からなると考え、これらを涵養するために、哲学、宗教学、生理学、心理学などに関する講義に加え、社会課題の現場である児童養護施設と刑務所におけるフィールドワークを実施しました。募集定員20名のところ19名の申込があり、幅広い業種・職種の方々にご参加いただきました。
詳細はこちらをご覧ください。
3.【小樽商科大学】グローカルプロジェクト(代表者:張博一准教授)の活動として「名前はまだない会議」に登壇しました
1月11日(土)、12日(日)に、小樽商科大学のグローカルプロジェクトの活動として、本学張博一ゼミが横浜国立大学のゼミと合同で、小樽の活性化を考える「名前はまだない会議」に登壇しました。
グローカルプロジェクトは、本学が推進する「アクティブラーニング」と「グローカル教育」に基づいて、学生が地域が直面する社会的課題を法政策の観点から分析し、現地調査を行うことを通して地場産業の支援策を実践的に考える活動です。学生達は、「小樽の活性化」の主軸に、6つのテーマに分かれてインタビュー調査を行い、調査結果とアイデアを発表した後、一般の参加者と意見交換を行いました。
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4.【帯広畜産大学】第2回畜大シンポジウムを開催しました
帯広畜産大学では、11月28日(木)に、第2回畜大シンポジウムを開催しました。本シンポジウムは、帯広畜産大学が主催し、今年6月に設立された「ミルク&チーズコンソーシアム」の活動を広く知っていただくことを目的としています。
また、日本の酪農・乳業を持続可能な産業として未来につなげるための議論の場として、多くの皆さまにご参加いただきました。
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5.【帯広畜産大学】2024年度「国際共同研究推進のための大学院生派遣プログラム帰国報告会」を開催しました
帯広畜産大学では、1月9日(木)に、2024年度「国際共同研究推進のための大学院生派遣プログラム帰国報告会」を開催しました。グローバルアグロメディシン研究センターでは、国際共同研究推進のための大学院生派遣プログラムを実施しています。本プログラムでは、米国コネル大学又は米国ウィスコンシン大学に大学院生を派遣し、本学との間で行われている国際共同研究に参画することにより、世界トップレベルの研究機関における研究活動の機会を提供しています。
今回は、令和6年11月から約1か月間、ウィスコンシン大学マディソン校に派遣されたNguyen Trong Minh Nhatさん(博士前期課程2年)による帰国報告会が行われました。
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6.【北見工業大学】小中学校教諭を対象とした令和6年度理科実験研修を実施しました
北見工業大学では、12月25日(水)に北見市内の小中学校教諭を対象とした理科実験研修を実施しました。この研修は、北見工業大学の持つ技術・知識を小中学校の先生に還元して、各学校における授業や教材研究などに活用いただくことを目的に、北見市教育委員会と連携して毎年開催しているもので、当日は北見市内の小中学校教諭8人が参加しました。
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7.【北見工業大学】女性用トイレに生理用品の無償設置を開始しました
北見工業大学では昨年10月に「女子トイレをもっと快適・安心に!」をモットーに「コスモスプロジェクト」を立ち上げました。本活動の第一弾として、トイレットペーパーと同様に、生理用品も女子トイレには必需品との考えに基づき、生理用品を無償提供することを決めました。
10月21日(月)に行った第1回ミーティングにおいて、参加した女子学生にアンケート調査を行い、その意見を反映して設置する製品を選択し、本年から学内の主な女性用トイレに設置を始めました。
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8.【北見工業大学】2025年冬期の摩周湖の全面結氷予測レポートを発表しました
北見工業大学社会環境系の亀田貴雄教授による、2025年1月15日付けの最新予測レポートを公開しました。
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9.【北見工業大学】(論文発表)藍藻Synechococcus elongatus の増殖を飛躍的に向上させる新規細菌Rhodococcus sp.AF2108 を発見
このたび、環境大善株式会社と北見工業大学との共同研究の成果が、学術誌「Microbes and Environments」オンライン版に2024年12月28日付で掲載されました。なお、本研究は中小企業庁成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)の一環として実施されました。
[研究のポイント]
・新規の藍藻増殖促進細菌を複数分離し、特にRhodococcus sp. AF2108がSynechococcus elongatusの増殖を顕著に向上させることを発見。
・AF2108はクロロフィルa含有量を8.5倍、細胞数を3.9倍に増加させ、既存の増殖促進細菌よりも優れた効果を持つことを確認しました。
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10.【北見工業大学】女子小中学生対象「リケジョのWA in WINTER」を開催しました
北見工業大学では、1月11日(土)に女子小中学生を対象とした「リケジョのWA in WINTER」を開催し、女子中学生13名の方にご参加いただきました。本イベントは、近年、女性の活躍を推進する企業が増えており、理工系女子学生育成の要請が高まっていることから、本学の女子学生が体験をサポートし、女子児童・生徒のみなさまに理科・工学の楽しさを知ってもらう機会として初めて開催しました。今回は「ハッカの蒸留と抗酸化試験」と「プログラミング体験~ホームページを作ろう~」の2つのテーマに分かれて実施し、見慣れない実験器具に触れたり、自分好みのHPを作成するなど、楽しみながら工学に触れていただいた様子でした。
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11.【北見工業大学】生体メカトロニクス研究室の鎌田颯太さんが農林水産省主催「第1回みどり戦略学生チャレンジ」全国大会に出場します
このたび、農林水産省主催「第1回みどり戦略学生チャレンジ」全国大会に、北見工業大学生体メカトロニクス研究室所属の鎌田颯太さん(博士前期課程工学専攻 機械電気工学プログラム1年、指導教員:楊亮亮准教授)の出場が決定しました。「みどり戦略学生チャレンジ」は、将来を担う若い世代の環境に配慮した取組を促すため、大学生や高校生等の個人・グループが「みどりの食料システム戦略」に基づいた活動を実践する機会として、農林水産省が実施する取組です。
鎌田さんは今回、【大学・専門学校の部】北海道ブロックに「EVクローラ型除草カルチ自動化ロボット」と題した取組でエントリーした結果、予選審査を見事通過し、当ブロック全11校の代表として全国大会へ出場することとなりました。
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12.【北見工業大学】本学大学院生が国際会議「ICETC2024」においてBest Student Award(Poster)を受賞
11月25日(月)~11月27日(水)に北九州国際会議場(福岡市)で開催された国際会議「The 5th IEICE-CS International Conference on Emerging Technologies for Communications(ICETC2024)」において、本学大学院生の大野雅浩さん(博士前期課程 工学専攻 情報通信工学プログラム2年、指導教員:黒河賢二教授)が、Best Student Award(Poster)を受賞しました。
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